【わかりやすく】在留資格「特定技能」とは?【初心者へ簡単に説明】

特定技能とは在留資格「特定技能」

以下の疑問に答えます。

  • 特定技能が気になっているけど、難しくてよく分からない。
  • ネット上に情報が多すぎて、どれから読めばいいか分からない。
  • 初めてでも分かるように簡単に説明して!

外国人雇用で注目されている「特定技能」ですが、制度が少々複雑で何から見ればいいのか分からず困っている方が多いです。

私は2019年4月から特定技能の勉強を始め、実際に21名の申請手続きも行いました。185ページある「運用要領」や「業種別の運用要領」も5回以上読みましたし、分からない事があればその都度入管や所管省庁への問い合わせも行いました。これだけ時間を費やしたので今は特定技能についての理解が深まりましたが、内容を理解するのは本当に大変でした。

そこでこの記事では、初めての方でも特定技能制度の全体像が把握できるように、用語の解説から実際に特定技能の在留資格を取得する方法までを分かり易くまとめて解説します。

この記事を読めば「特定技能制度を理解する為に本当に必要な情報」が分かり、特定技能を使って外国人を雇用するか検討するという次の段階へ進む事ができます。

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特定技能とは?「まずは用語解説から」

特定技能は、外国人が日本で働いたり生活したりする為に必要な「在留資格」の中の1つで、2019年の4月に新しくできた在留資格です。

今までの在留資格との最大の違いは「単純労働」と言われる部類の仕事をする事ができる点です。ホテルや飲食店での接客、食品や部品などを作る工場での作業、建設現場や介護現場での作業といった、今までは一部の在留資格(留学生のアルバイトや日本人の配偶者等)でしか認められなかった仕事ができるようになりました。

2019年は特定技能開始初年度ということもあり中々受け入れが進まず、2020年度はコロナウィルスで停滞という残念な状況ではありますが、受け入れ企業・外国人・登録支援機関・人材紹介会社・行政書士といった特定技能に関わる所からの期待は大きい制度である事に変わりはありません。(※現在の許可人数などは以下の記事で紹介しています。)

≫【最新情報】特定技能の目標・上限人数【現在の許可人数も掲載中】

そんな特定技能制度ですが、色々な資料を読む際に出てくる用語には見慣れない専門用語が多くあります。このサイトでは専門用語は使わずに分かり易く解説していますが、法務省のホームページにある「特定技能の運用要領」などを読む場合には専門用語の理解が必要になります。そんな特定技能制度に登場する「専門用語」を簡単な用語に置き換えると以下のようになります。

特定技能所属機関とは

特定技能所属機関は、特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する「法人や個人事業主のこと」を指しています。特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用する事ができる法人や個人事業主なのかを判断する際には、「業種」と「法人や個人事業主自体の基準を満たしているか」という2つの面を見る必要があります。これについては後から詳しく解説します。

特定産業分野とは

特定産業分野は、特定技能の在留資格を持つ外国人を雇用できる「業種のこと」を指しています。特定技能制度では現在14の業種が対象になっており、業種ごとに「外国人にさせてOKな業務内容や認められる雇用形態」が違います。

14業種の一覧や業種ごとの詳しい業務内容を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

≫【最新版】特定技能の職種一覧と業務内容【追加・変更情報は随時更新】

特定技能外国人とは

特定技能外国人は、特定技能という在留資格を取得した「外国人のこと」を指しています。特定技能という在留資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

特定技能1号を取得した外国人のことは「1号特定技能外国人」と呼び、特定技能2号を取得した外国人のことは「2号特定技能外国人」と呼びます。

1号と2号の違いは「業務を行う為に必要な技術」の違いです。簡単に言うと、業務レベルが「初級〜中級者」が取得するのが特定技能1号で、業種レベル「上級者」が取得するのが特定技能2号という事です。とはいえ、現状で2号が認められている業種は「建設」と「造船・舶用工業」の2業種のみですから、ほとんどの場合は特定技能1号の在留資格を取得するという事になります。

特定技能の在留資格を取得する為の「外国人本人の条件」に、「特定技能の試験に合格している事」というものがあります。この特定技能の試験は、どの業種で働きたいかにより「受験する試験」が違います。例えば、飲食店で働きたいなら「外食業分野の特定技能試験」を受験する必要があるという事です。

各業種の試験情報や最新の試験日程が確認できるリンクを貼った下記の記事も参考にしてください。

≫【全業種あり】特定技能の試験日程【申し込み公式リンクあり】

支援計画書とは

特定技能制度では、特定技能1号の在留資格を持って働く外国人への支援を雇用主に義務付けています。特定技能2号の在留資格を持って働く外国人への支援は義務ではありません。

「支援」の内容には、「飛行場への送迎」「住む家や携帯電話、銀行口座の開設の為の助言や手続きへの同行」「雇用開始直後の日本の法律・交通ルール・生活マナー等の説明」「3か月に1度の面談」といったものがあります。

この各種支援を、「いつ・どのように」実施するか計画を立てて在留資格申請の時に入管へ提出する必要があります。この支援を行う計画の事を「支援計画書」と言います。支援計画書に盛り込む内容は決まっていますが、専用の書式が法務省のホームページに用意されています。

登録支援機関とは

登録支援機関は、上記で説明した外国人への支援を「雇用主の代わりに実施する法人や団体のこと」を指しています。

登録支援機関になる為には登録が必要で、人材紹介会社や行政書士事務所、技能実習制度で活動している協同組合(監理団体)などが多く、既に5,000以上の団体が登録支援機関として登録されています。

外国人への支援は雇用主(法人や個人事業主)が直接自社で行う事もできますが、自社で支援する際の雇用主に求められる条件をクリアしていない場合や、支援を行う人員確保が難しい場合は登録支援機関に支援を委託するというイメージです。

登録支援機関については以下の記事で詳しく解説しています。

≫【一覧あり】登録支援機関とは?【費用・支援内容・申請取次を解説】

協議会とは

協議会は、特定技能対象の「14業種ごとに設置」されているもので、要するに業種ごとに関係する人や団体の集まりです。例えば「外食業分野の協議会」でいうと、以下の人や団体が該当します。

  • 特定技能で外国人を雇用する飲食店(会社や個人事業主)
  • 上記の飲食店から外国人の支援を受託する登録支援機関
  • 外食業者団体
  • 法務省
  • 外務省
  • 厚生労働省、他。

要するに、業種ごとに関係する人や団体が集まって、特定技能制度が円滑に機能するように力を合わせましょうといったニュアンスです。特定技能で外国人を雇用する会社や個人事業主は協議会への加入が必須です。

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特定技能制度と技能実習制度の違い

次に、よく比較される「特定技能制度」と「技能実習制度」の違いを解説します。この2つの制度は似ているイメージがあるかもしれませんが、実は全然違う制度です。まずは2つの制度は別物だという認識を持ってください。

そもそも法律から違います。

特定技能制度は通称「入管法」に色々な決まり事が規定されており、技能実習制度は通称「技能実習法」に決まり事が規定されています。参考までに、入管法は「出入国管理及び難民認定法」、技能実習法は「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」というのが正式名称になります。

法律が違いますから、当然それぞれの「目的」も違います。特定技能制度の目的は「深刻な人出不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れること」が目的です。要するに人出不足解消のための人材確保が目的です。

これに対し、技能実習制度の目的は「技能・技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力すること」が目的です。要するに国際社会への貢献が目的です。とはいえ、技能実習制度も人材確保の手段に使われているというのが現状で、それについては今までも問題視されてきました。

雇える業種の違い

次に、外国人に行わせてOKな業務面で2つの制度を比較します。ここが唯一似ているポイントですが、まったく同じという訳ではありません。

例えば、建設業の「石材施工」や「タイル張り」は、技能実習では外国人に行わせてOKですが、特定技能では行わせることができません。つまり、特定技能制度では「石材施工」や「タイル張り」を外国人にさせる目的で雇う事はできないという事です。

その他の違い

特定技能制度と技能実習制度のその他の違いには、「雇える人数の違い」「支払う給料の違い」「転職についての違い」などがあります。(※詳細については下記の記事で解説しています。)

≫【一目で分かる】特定技能と技能実習の違い【費用比較と移行職種】

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どこの国籍の人が多いのか?

現在、特定技能の在留資格を取得している外国人の国籍は圧倒的に「ベトナム」が多い状況です。これは、ベトナム人が多い技能実習生から特定技能へ変更するケースが多いことが影響しています。

ベトナム以外の国でいうと、中国・インドネシア・フィリピン・ミャンマーといった国籍の外国人が現状の特定技能では主流と言えます。

参考までに、2020年6月末時点の「1号特定技能外国人の国籍別許可人数」は以下の通りです。

許可人数の総数5,950人
ベトナム3,500人
中国597人
インドネシア558人
フィリピン369人
ミャンマー291人
カンボジア243人
タイ177人
ネパール49人
その他166人

日本語は話せるのか?

外国人を雇用する企業にとって気になるのが、外国人の「日本語能力」です。製造などはそこまで日本語が話せなくても業務はできかもしれませんが、接客やサービス業ではある程度日本語を話せる必要があります。

初めて日本に来る外国人

特定技能制度では、外国人本人の条件で「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」というものがありますが、N4を持っているだけではあまり日本語を理解できな場合もあり得ます。製造業でのライン作業やビルクリーニング等では気にする必要のないレベルですが、飲食店・ホテルなどでの業務の場合は事前の面接等での確認が必要です。

ちなみに介護分野の場合は、日本語能力試験N4の他に「介護日本語評価試験」というプラスアルファの日本語試験の合格も必要な為、介護事業所等で働くために必要な日本語能力はあるい程度あると考えていいでしょう。

技能実習生や留学生

技能実習生や留学生から特定技能へ変更する場合は、ある程度の日本語能力は期待できます。留学生であれば2〜4年、技能実習生(2号修了者)であれば3年間日本で生活しています。よほどの事がない限りは日本語能力を心配する必要はないでしょう。

自社で雇えるのかを確認する方法

次は、自社が特定技能で働く外国人を雇える会社なのかどうかを確認する方法について解説します。判断基準として「業種の確認」と「規定の条件を満たしているか」の2つがあります。

業種の確認

会社の業種(事業内容)が、特定技能制度対象の14業種に合致しているかという事です。会社の事業内容を「日本標準産業分類」で見た時に、特定技能の業種ごとに記載されている分類に合致するかを確認します。

外食業・宿泊・介護・ビルクリーニング・建設分野などではほとんど迷う事はありませんが、飲食料品製造業・素形材産業・産業機関製造業分野などでは注意が必要です。一見該当していそうに見えても該当しないというケースが多々あります。

確認方法としては、「業種別の運用要領で確認」や「所管省庁に問い合わせて確認」といった方法があります。また、協議会への加入を在留資格申請前に行うといった方法もあります。

14業種ごとに規定されている条件や、日本標準産業分類に該当しているかの確認方法などについては下記の記事を参考にしてください。

≫【14業種別】特定技能「受入機関」の申請要件(基準)と5つの届出

会社が条件を満たしているか

特定技能制度で求められる「会社としての基準」をクリアしている必要があります。「各法令を遵守しているか」「財務状況」「支援体制が整備されているか」といった点になります。会社の条件や必要書類については以下の記事でわかりやすく解説しています。

≫特定技能ビザの申請条件と必要書類【実績21名の行政書士が解説】

雇用(受入)に必要な費用を知りたい

次は、特定技能で外国人を雇用する為に必要な費用をご紹介します。※費用は人材紹介会社や登録支援機関によって金額が違いますので、参考程度にご覧ください。

人材紹介会社への手数料

特定技能で働く外国人を紹介してもらった場合の人材紹介会社への手数料です。安い会社で20万円〜、相場は年収の20%〜30%程度です。すぐに退職した場合の返金制度を用意している人材紹介会社もありますので、事前に確認が必要です。

留学生や技能実習生を直接採用するケースもあり得ますが、その場合は不要な費用です。

行政書士への在留資格申請報酬

特定技能の在留資格取得手続きを行政書士に依頼する場合の報酬です。10万円〜15万円程度が相場です。参考までに、当事務所では12万円、2人以上同時に申請する場合は2人目以降「3万円」の料金設定にしています。

登録支援機関への支援委託費用

外国人への支援を登録支援機関に委託する場合の費用です。最安値は月額15,000円、相場は2万円〜3万円程度です。

支援を自社で行う場合は不要な費用です。

特定技能の在留資格を取得する方法

最後に、特定技能の在留資格を取得する方法を解説します。海外から呼ぶ場合と日本にいる外国人を雇用する場合の2パターンに手続きが分かれます。

海外から呼ぶ場合

在留資格認定証明書交付申請という手続きを管轄入管へ行います。通常の場合、本社所在地を管轄する入管(出入国在留管理局)へ申請書や添付書類を併せて提出します。

入管への手数料は不要で、だいたい1か月〜1か月半程度で審査の結果が出ます。

日本にいる外国人の場合

在留資格変更許可申請を管轄入管へ行います。この場合上記とは違い、外国人の居住地(住民票がある住所)を管轄する入管へ申請書や添付書類を併せて提出します。

入管への手数料は許可時に4,000円が必要で、だいたい2週間〜1か月程度で審査の結果がでます。

まとめ

特定技能で外国人を雇用する場合、制度全体の理解が必要です。この記事では初心者向けに大まかな全体像を解説しましたが、在留資格取得の為の条件や雇用後の届出といった詳細については他の記事で解説していますので、併せてご覧下さい。

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